ベジタブルな尻

ポケモンやドラゴンボールに関することや、気になったこと、日記、備忘録を置いておく場所

ミュウツーの逆襲には本来見えていない部分も描かれていた

アニメ制作について詳しくないので嘘を書いていないか不安ですが書きたかったので書きます。

 

多分皆さんもご存知の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」なんですが、実は画面に映っていない範囲までしっかり作画したものを、映画用の画面アスペクト比でトリミングしているんです。

まあ文章だけでは伝わりにくいかと思いますので、この映画のセル画を見ながら説明していきます。

これはウミオ(CV高木渉)がミュウツーに文句つけるシーンですね。この後ミュウツーに吹っ飛ばされます。

この画像だと、手前のスイート(CV佐藤藍子)の腰辺りまでしっかり作画がされていますし、その左のリュックも見えているのが分かると思います。しかし、DVD等に収録されている公開版だと・・・

こうなるんです。スイートの体は胸辺りまでしか見えませんし、全部見えてたリュックも見切れてしまっています。

分かりやすいよう、公開版の部分を白黒にしてみました。こう見るとかなりの面積を切り取ってしまっていることが分かりますね。

なぜこんなに切り取ってしまうのかと言いますと、この映画は当時のTVアニメ用の用紙に作画したものを、映画のスクリーンに目一杯に映るよう拡大してアニメとして作っているからなんです。この制作方式は貧乏ビスタといいまして、映画用の作画用紙をケチってTVアニメ用の作画用紙に作画する方法のことです。例えば昔のTVアニメを今の液晶画面で観ると左右に黒い帯ができると思いますが、アレが無くなるように拡大してる感じです。勿論それを想定して制作するので、拡大しても違和感は無いし、リュックとかが見切れてようと問題は一切無くむしろ切り取った後の画像が本来の姿ということですね、分かりにくい!

 

・・・すみません「貧乏ビスタ」で画像検索してくださると分かると思います。アニメーターの方が分かりやすく解説してくださった物があると思うので。この貧乏ビスタは1988年公開の逆襲のシャアとかでも使われていた制作方式です。また、当時の東映アニメはほぼ全部貧乏ビスタで作られていました。ポケモンに限りますと貧乏ビスタ制作なのはこのミュウツーの逆襲までで、次作のルギア爆誕からは映画のスクリーンに合わせたビスタサイズで制作されたはずです。(アニメーターの岩根雅明さんがルギア爆誕の作画用紙について自身のTwitter上で触れられていたので多分あっています。)

 

海外サイトで見つけたミュウツーの逆襲のセル画と比較画像です。ポケモンのセル画があまり出回っていないのは、1990年台末期ともなると管理が厳重になったんですかね?聞く所によると原画やセル画が流出するのは制作会社がファンに売っぱらうかファンが現場から盗んでたらしいです。私は当時は生まれてすらいないので断言はできませんけど・・・。

 

まあ、撮影の段階でTV用の4:3サイズでは撮影してないので上に長々と書いてきたトリミングする前の映像を拝むことは不可能なんです。見えちゃいけない箇所があるのです。

例外としてドラゴンボールとかドラえもんの劇場版は初期のVHSとかLDまたは海外版DVDに4:3の映像が収録されたりしています。私は今ドラゴンボールの海外版DVDをちまちまと集めはじめたので、集まったらまたココにでも載せますね。今まで見えなかった部分が見えて結構面白いんですよ!そのかわり輸入が面倒くさい!それだけが難点です~