フランスとか主にヨーロッパ地域で発売された日本産アニメのDVDを再生すると映像と音声が若干早回しになります。これはPALと呼ばれる映像の規格を採用していることが原因で、NTSCを採用している日本で作られたアニメはどうしてもPALに変換する必要があり、そのせいで早回しになるんです。NTSCは23.976(≒24fps)、PALは25fps、この違いから早回しになってしまいます。
私は以前↓の記事でも紹介したようにドラゴンボールの海外盤DVDを何本か購入しているのですが、中にはPAL形式で収録されているフランス盤もありました。再生速度さえ弄れば視聴のうえで問題はありませんが、いちいち速度を変えるのも面倒なのでファイルごとNTSCに変換することにしました。メモ代わりの記事でもある。
使用ツール:FFmpeg
↓ 使うコマンド
ffmpeg -i ファイル名.VOB -map 0:1 -map 0:2 -vcodec libx264 -preset ultrafast -x264opts qp=0:videoformat=undef:force-cfr -acodec flac -filter:v setpts='25025/24000*(PTS-STARTPTS)' -filter:a asetpts='25025/24000*(PTS-STARTPTS)',aresample=48000:async=1:min_comp=0.01:comp_duration=1:max_soft_comp=100000000:min_hard_comp=0.3 -f matroska -r 24000/1001 NTSC_video.mkv
小分けにして適当に解説 基本的な使い方は省く 入力ソースはDVDのVOBを想定
-map 0:1 -map 0:2
映像トラックと音声トラックの場所指定。DVDからリップする時に映像と日本語音声だけにしておけばこのままで良いはず。
-vcodec libx264 -preset ultrafast -x264opts qp=0
x264の可逆圧縮設定。画質落としたくない人向け。
videoformat=undef:force
確かNTSCやPALといった映像規格が付与されているファイルに使うコマンド。forceは強制変換という意味のはず。強制的にNTSCへ変換。
-acodec flac
音声で可逆圧縮とされているFLAC形式に変換。可逆圧縮なら別の形式でも可。
-filter:v setpts='25025/24000*(PTS-STARTPTS)' -filter:a asetpts='25025/24000*(PTS-STARTPTS)'
海外サイトからコピペしたので自分でもよく分からない。多分間引き系のコマンド。
aresample=48000:async=1:min_comp=0.01:comp_duration=1:max_soft_comp=100000000:min_hard_comp=0.3
音声の高さをNTSC基準に変換(もとに戻す)。
-f matroska -r 24000/1001
-fはフォーマット(お好みで)-rはフレームレートの変換で23.976fps(NTSC)に変換。
注意点 可逆圧縮とはいえ50分の映画は10GB以上の容量になります。また当たり前ですが動画サイズが大きいほど容量も肥大化するのでフルHDソースを変換する際は書き出す先の容量を十分空けておくこと。